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わかりやすいように工程を下図で説明しましょう。
新里酒造の泡盛製造工程はこちらから以上のとおりですが,ここで大事な麹づくりについて簡単に説明しましょう。泡盛菌の胞子を散布した蒸米の温度を34〜38度に保たせながら一晩ねかせます。菌の胞子はやがて芽を出し,種付けしてから約20時間位すると麹菌の生育が活発になり,盛んに発熱してくるので,時折風通しながら麹の中の水分を水蒸気として除くことにより,活動しやすい34〜36度に保ってやりますと(人間が汗をかくことによって体温を調整するのと同じ原理)胞子をつけてから40時間位で酸味ののった麹ができあがります。
文字通り,白米を洗うことです。そのとき米の表面に付いている糠(ぬか)や細かいゴミが除かれます。
芯のないご飯を炊くためには,加熱するまえの米粒のなかまで十分水を吸わせておかねばなりません。なぜなら加熱によって,米粒の表面が糊化して水を吸い難くなり,水を吸っていない中心部が生のままで残るからです。泡盛の原料米の場合も同様で,蒸す前に,水に浸し,十分水を吸わせます。この操作を浸漬といいます。米を浸す時間は20〜40分です。
蒸しは白米に含まれる澱粉や蛋白質などを消化しやすい状態にするために行います。
蒸し方には甑(こしき)で蒸す方法と回転式ドラムで蒸す方法とがあります。前者は原理的には家庭で使っている蒸し器と同じで,下部の釜の水を沸騰させ,出てくる水蒸気を簣子(すのこ)の上の浸漬米の層に通して蒸します。蒸し時間は蒸気が米層を吹き抜けてから50分位蒸すのが標準です。回転式ドラムを使うと,洗米・浸漬・水切り・蒸しがこのドラムの中で連続的に行えるので,大量の米を処理する酒造場で採用されています。この場合は甑の釜の代わりにボイラー(水蒸気発生装置)の蒸気を回転ドラム内の米層に吹き込みます。
なお米を浸漬してから蒸気を吹き込んで加熱しはじめるまでの時間,すなわち水切り時間の長短によって,蒸しあがりの米の硬軟を調節しています。
酒や味噌・醤油などの醸造物をつくるとき,原料(泡盛の場合は麹と水)と泡盛酵母を一つの容器(例えばカメ・オケ・タンクなど)のなかに一定の配合割合で投入し,よく混ぜあわせてやることを仕込みといいます。
なお,泡盛では原料の配合割合は原料の白米に換算した麹の重量100kg当たり,水170L位が標準です。
カビの生えやすい東アジアの国々ではカビを利用した醸造法が発達してきました。
わが国の清酒,味噌,醤油などでは原料に含まれる澱粉や蛋白質を消化するのに黄麹菌という黄緑色の胞子(種子)をつけるカビが使われています。
このカビは酸をあまりつくらないので,雑菌が生えにくい冬の寒冷期の醸造には適していますが,沖縄のように冬でも暖かいところには適しません。500年の泡盛の歴史のなかで,気温の高い夏でも安全に泡盛ができるだけの酸をつくる麹菌が育成されました。それが泡盛麹菌です。
この菌の胞子の色は黒く,黒麹菌の仲間に入れられていますが,酸をよくつくるだけでなく,澱粉の消化力も強く,風味も優れ,しかも保健上安全であるところが泡盛麹菌の特徴です。
この特質が明治の学者によって認められ,明治末年から大正にかけ,これまで黄麹菌を使っていた南九州の本格焼酎造りに泡盛麹菌が使われはじめ,現在では泡盛麹菌の変わり種である白麹菌によってほとんどすべての内地の本格焼酎が造られています。すなわち泡盛麹菌は日本の本格焼酎用麹菌の元祖ということができます。
この項についてはQ.4の答えを参照して下さい。
まず第一の理由は,黒麹菌の仲間のなかでも特に優秀な泡盛麹菌は,Q.4,Q.10でおわかりのように,気温の高い沖縄で,泡盛のモロミ(Q.13参照)を腐らせる雑菌から守ってくれる大切な酸をつくる力を持っているからです。第二として,酸っぱいモロミでも米の澱粉をよく消化し,収量よく泡盛をつくってくれること,第三に風味がよいことなどがあげられます。
水以外の原料としては麹だけ使った仕込み(Q.9)のことを全麹仕込みといいます。
内地の本格焼酎の仕込法は,米あるいは大麦でつくった麹と水と酵母を混ぜて,まず酒母(一次モロミ)をつくり,これに主原料である米,甘藷,大麦,ソバなどを蒸したものと水を加えたモロミ(二次モロミ)をつくって発酵させ,蒸留します。すなわち内地の一次モロミは全麹仕込みです。麹の酸は二次モロミで大量の澱粉原料と水が加わるため,全麹仕込みのモロミ(一次モロミ)の四分の一位まで薄まり,それだけ雑菌による汚染の危険性は高まります。気温の高い沖縄で,全麹仕込みを採用して泡盛をつくっているのはそのためです。また米麹の風味の濃い全麹仕込みの酒だからこそ古酒になればなるほどおいしくなるのです。
澱粉質原料あるいは蛋白質原料(醤油の場合),麹,水などの醸造原料と醸造微生物を容器に入れて混ぜ合わせた物をモロミといいます。
酒類製造では醪,醤油醸造では諸味と書きます。泡盛の醪は米麹,水,酵母を混ぜたものです。
ある物が微生物の作用で人間にとって良い物に変わる現象を発酵といい,悪い物に変わることを腐敗といいます。例えば乳酸菌が牛乳に生えて酸っぱくなったとしましょう。牛乳として飲もうという人にとっては,この現象は酸敗ですが,乳酸飲料をつくろうと思っている人にとっては乳酸発酵というわけです。アルコール発酵とはある物に酵母菌という百分の1mm位の大きさの微生物が生えてアルコールにする現象をいいます。
酵母菌が食べてアルコールに変えられる物は葡萄糖,果糖,麦芽糖といった簡単な糖類だけで,牛乳に含まれる乳糖を食べる酵母もいて乳酒ができます。酵母菌にとってアルコール発酵は空気の少ない環境におかれた時のエネルギー獲得のための手段で,その時排泄されるアルコール分がたまって,アルコール分が12度(容量百分比で12%)位になると増殖が悪くなり,20度を超えると酵母菌は自分のつくったアルコールのため死んで行きます。
麹を使わない洋酒のモロミはせいぜいアルコール分は10数度までしか上がりません。泡盛の蒸留前のモロミで,アルコール分を18度位まで高めることができるのも麹のお陰です。
ヤカンに入れた水をガスレンジで加熱すると,やがて沸騰しはじめます。ヤカンの口から吹き出してくる蒸気を,適当な方法で冷やしてやると再び水に戻ります。液体を熱して蒸気に変え,これを冷やして液体にする操作を蒸留といいます。
ヤカン(蒸留釜)の中に,水のかわりにアルコール水溶液を入れたとすると,はじめに出てくる蒸気には,水より沸騰点の低いアルコールが多く含まれていますが,蒸留を続けるにつれ,次第にアルコールは減少し,そのかわりに水が多く含まれるように変わって行きます。したがって蒸留で垂れてくる液(留出液)をどこまで採取するかによって,元のアルコール水溶液よりもアルコール濃度の高い留出液をうることができるわけです。
泡盛の場合,蒸留前のモロミはアルコール分18度(Q.14参照)位で,しかも麹の固形分を含んでいますが,これを蒸留すると固形分は蒸留釜内に残り,はじめアルコール分が70度に近い泡盛が垂れてきます。蒸留を続けるうちにアルコール分はだんだんに低下して,これが10度位になったところで蒸留をやめると,全体としてアルコール分が43度位の泡盛原酒がえられます。
泡盛の蒸留機のように,蒸留の都度発酵が終わったモロミを蒸留釜に入れて蒸留し,蒸留終了後,蒸留残液(煮汁,釜残(かまざん),糟酒(かしじぇー),蒸留粕などともいわれています)を蒸留釜より排出する形式の蒸留機を単式蒸留機といいます。
わが国の本格焼酎,モルト・ウイスキー,コニャック・タイプのブランデーなど,世界の伝統的蒸留酒はほとんどすべて単式蒸留機でつくられています。この蒸留機は図のように,1.かまど,2.蒸留釜,3.立上がり,4.わたり(ウマ,馬の背),5.冷却器から出来ています。
かまどによる加熱は,現在では薪からボイラーの蒸気にとってかわりました。泡盛が単式蒸留機を使っている理由は,蒸留機が古代ギリシャで生まれ,欧州はもとより,東アジア各地に蒸留酒を育てた由緒ある蒸留機であり,泡盛麹と酵母が作り出す香りをあますことなく蒸留で引き出してくれるからです
真空ポンプで単式蒸留機の内部の圧力を大気圧以下に下げて行くと,モロミはより低い温度で沸騰しはじめます。たとえば水は海抜0メートルの平地では100度で沸騰しますが,海抜3776メートルの富士山頂では87.4度で沸騰しはじめるのは,大気圧が平地の1気圧から空気の薄い富士山頂では0.63気圧に下がるからです。すなわち減圧蒸留では,蒸留機内部の圧力を大気圧の十分の一程度まで下げ,モロミの温度が40〜50度の低温で蒸留できるようにしています。
そのため,蒸留中にモロミ成分が熱で分解されることが少なく,焼酎で後留臭といわれる焦げ臭もつきにくく,また,たとえば油性成分のような沸点の高い成分は蒸留されにくくなります。したがって減圧蒸留でつくられた製品は,常圧蒸留のものと比べて風味の軽いタイプのものとなりますが,その反面,原料の特性があまりでておりません。
本土では,最近のソフト化ムードのなかで,甘藷焼酎を除き減圧製品が穀類原料の本格焼酎の主流を占めつつありますが,伝統の味にこだわる沖縄の泡盛は常圧製品を主流としてつくっています。
常圧製品に比べて減圧製品では,古酒にした時の熟成効果が上がりにくいことも,常圧蒸留にこだわる理由の一つです
米こうじをつくるのに40時間(足掛け3日),モロミをつくるのに13日,蒸留に2〜3時間,熟成に最低3ヶ月はかかりますから,米から泡盛製品になるまで最低3ヶ月半はかかります。もちろん古酒とうたうためには3年間以上貯蔵しなければなりません。
43度前後です。
アルコール分43度の原酒として普通1Lできます。これを30度製品にすると1升(1.8L)ビンで0.8本弱となります。
アルコール分の測定法にはいろいろあります。ここでは酒について国税庁が定めた方法について説明しましょう。
まず酒100mlを正確に採取し,蒸留して約70mlの蒸留液をとり,これに蒸留水を加えて正確に100mlにします。この操作は酒に含まれる糖類やアミノ酸などの成分を除き,微量の香気成分だけを含むアルコール水溶液とするために行います。したがってすでに蒸留済みの泡盛では,この操作は要りません。
さて,この蒸留液を清浄なガラスのシリンダーに入れ,温度を15度に調節し,これに酒精度浮ひょうを浮かせ,液面と釣り合ったところの浮ひょうの示度から酒のアルコール度数を読み取ります。酒税法でいうアルコール分とは温度15度のとき原容量100ml中に含まれるエチルアルコールの容量(ml)をいい,これを度数として示します。
蒸留で,出来たばかりの泡盛原酒を貯蔵し,年月の経過とともに香味が良くなる変化を熟成といいます。その原因として,
などが挙げられます。
常圧蒸留泡盛は,減圧蒸留(Q.17参照)のものより(1)による熟成効果が大きく,また(4)の変化はウイスキー,ブランデーの熟成中の香味形成で重要な部分を占めます。タル貯蔵の泡盛の風味がウイスキーなどに近くなるのはそのためです。
『泡盛の表示に関する公正競争規約』(Q.28参照)のなかで,古酒を次のように定義しています。
「(その泡盛の)全量を3年以上貯蔵したもの又は仕次ぎしたもので,3年以上貯蔵した泡盛が,仕次ぎ後の泡盛の総量の50パーセントを超えるものでなければ古酒と表示してはならない。古酒の表示に代えてクース又は貯蔵酒若しくは熟成酒と表示することができる。貯蔵年数を表示する場合は,年数未満は切り捨てるものとする。」
ここで《仕次ぎ》とあるのは,泡盛古酒の伝統的つくり方でカメの壁面からの蒸散で減った分(カメ貯蔵の場合)や飲んで使った分を,次に古い泡盛で補充する貯蔵法のことです。すなわち,最も古いものから一番古酒,二番古酒,三番古酒等々としますと,一番の減った分を二番から補充し,二番へは三番から補充するというやり方です。これが一般的な仕次ぎ法ですが,東恩納寛惇著「古酒の話」のように,飲むために一番から汲みだす量に相当する泡盛を,予め三番から二番に,二番から一番に入れておくという仕次ぎ法もあるようです。
第2次大戦で戦場となった沖縄では,戦前から保存されていた古酒はほとんど失われてしまいましたが,幸い戦災をまぬがれた南蛮ガメ貯蔵の泡盛古酒でもっとも古いものに百年を超えるものが現存し,いまなお芳香と奥床しい味を持ち続けています。
蒸留したばかりの泡盛原酒を容器にねかしておくと,まずガス臭と呼ばれる燻しくさい臭いが消えて行きます。次にQ.22の(1)〜(4)に挙げたような変化が静かに進行し,味が丸くなり,落ち着いた芳香をおびてきます。この熟成効果は良い原酒を,良い容器に貯蔵した場合,年数を経過すればするほどはっきりあらわれるものです。
洋の東西を問わず,良い蒸留酒は伸びがきくといわれていますが,長期熟成の泡盛古酒は水割りにしても形がくずれず美味しく飲めます。
Q.22の(1)に挙げた空気を吸うことによる熟成と(3)の容器の壁面からの香気成分の濃縮効果は無釉,すなわち上薬をかけない陶器(荒焼あらやち)のカメに貯蔵した方が壜や琺瑯製のタンクより優れています。
古酒づくりに珍重されてきたのがシャム南蛮で,沖縄の古窯の南蛮ガメも熟成効果が優れているといわれています。貯蔵用の荒焼のカメには4斗入りの中甕(ちゅーがーみ),2斗入りのフエージン,一斗入りの徳利小(とっくいぐわー)などがあります。
戦前は蒲葵(びろう,くば)の葉を巻いた梯梧(でぃーく)の輪切りにした幹を口細のカメの栓に使っていました。Q.23に示した仕次ぎ法で,手作りの古酒を家庭で楽しんでみてはいかがですか。ただし,泡盛と相性の悪いカメもあるので,長く貯蔵する場合は時折味や香りを調べてみることも大切です。
泡盛をとったあと蒸留釜に残った粕の事を沖縄では糟酒(かしじぇー,かしざい)といいます。この糟酒は豚の飼料となり,これで飼育した豚は赤みが多く,喜ばれるので,戦前の泡盛製造場ではよく豚を飼っていたものです。現在でも,糟酒は養豚業者に引き取られ,泡盛の肴である豚料理に生まれ変わります。
糟酒はまた,酸味が強いので調味料として酢の代わりに使われることもあります。ただし腐りやすいので,塩を2%程度加えて保存します。
宮城文先生の『八重山生活誌』にこれを利用した酢のもの,漬物の作り方があげられています。たとえば漬物は「材料および作り方,大根は若葉付きの丸のまま,マンジュマイ(パパイア)は皮付きの青い実の丸のままをごく熱いカシザイ(蒸留粕)の中1,2時間漬けると風味の良い漬物になる。醤油をかけてお菜用にする」とあります。